地震情報(地震の活動状況等に関する情報) |
2021/12/07 17:00:30 |
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南海トラフ地震関連解説情報
** 見出し **
第50回南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会、第428回地震防災対策強化地域判定会で、南海トラフ周辺の地殻活動を評価しました。
** 本文 **
本日(12月7日)開催した第50回南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会、第428回地震防災対策強化地域判定会で評価した、南海トラフ周辺の地殻活動の調査結果は以下のとおりです。
現在のところ、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時(注)と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていません。
(注)南海トラフ沿いの大規模地震(M8からM9クラス)は、「平常時」においても今後30年以内に発生する確率が70から80%であり、昭和東南海地震・昭和南海地震の発生から既に70年以上が経過していることから切迫性の高い状態です。
1.地震の観測状況
(顕著な地震活動に関係する現象)
11月1日05時35分に和歌山県南方沖の深さ20kmを震源とするM5.0の地震が発生しました。この地震は、発震機構が南北方向に圧力軸を持つ逆断層型で、フィリピン海プレートと陸のプレートの境界で発生しました。
12月3日09時28分に紀伊水道の深さ18kmを震源とするM5.4の地震が発生しました。この地震は、発震機構が北西・南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、地殻内で発生しました。
(ゆっくりすべりに関係する現象)
プレート境界付近を震源とする深部低周波地震(微動)のうち、主なものは以下のとおりです。
(1)東海:11月2日から5日
(2)四国西部:11月3日から9日
(3)紀伊半島北部から紀伊半島中部:11月4日から16日
(4)紀伊半島西部:11月18日から23日
(5)紀伊半島北部:11月27日から継続中
2.地殻変動の観測状況
(ゆっくりすべりに関係する現象)
上記(1)から(5)の深部低周波地震(微動)とほぼ同期して、周辺に設置されている複数のひずみ計でわずかな地殻変動を観測しました。周辺の傾斜データでも、わずかな変化が見られています。
GNSS観測によると、2019年春頃から四国中部でそれまでの傾向とは異なる地殻変動が観測されています。また、2020年夏頃から紀伊半島西部・四国東部でそれまでの傾向とは異なる地殻変動が観測されています。加えて、2020年夏頃から九州南部で観測されている、それまでの傾向とは異なる地殻変動は、2021年春頃に鈍化したまま、現在もその状態が続いているように見えます。
(長期的な地殻変動)
GNSS観測等によると、御前崎、潮岬及び室戸岬のそれぞれの周辺では長期的な沈降傾向が継続しています。
3.地殻活動の評価
(顕著な地震活動に関係する現象)
11月1日に発生した和歌山県南方沖の地震は、フィリピン海プレートと陸のプレートの境界で発生した地震で、その規模から南海トラフ沿いのプレート間の固着状態の特段の変化を示すものではないと考えられます。
12月3日に発生した紀伊水道の地震は、地殻内で発生した地震で、その規模から南海トラフ沿いのプレート間の固着状態の特段の変化を示すものではないと考えられます。
(ゆっくりすべりに関係する現象)
上記(1)から(5)の深部低周波地震(微動)と地殻変動は、想定震源域のプレート境界深部において発生した短期的ゆっくりすべりに起因するものと推定しています。
2019年春頃からの四国中部の地殻変動、2020年夏頃からの紀伊半島西部・四国東部及び九州南部での地殻変動は、それぞれ四国中部周辺、紀伊水道周辺及び日向灘南部のプレート境界深部における長期的ゆっくりすべりに起因するものと推定しています。このうち、日向灘南部の長期的ゆっくりすべりは、2021年春頃に鈍化したまま、現在もその状態が続いています。
これらの深部低周波地震(微動)、短期的ゆっくりすべり、及び長期的ゆっくりすべりは、それぞれ、従来からも繰り返し観測されてきた現象です。
(長期的な地殻変動)
御前崎、潮岬及び室戸岬のそれぞれの周辺で見られる長期的な沈降傾向はフィリピン海プレートの沈み込みに伴うもので、その傾向に大きな変化はありません。
上記観測結果を総合的に判断すると、南海トラフ地震の想定震源域ではプレート境界の固着状況に特段の変化を示すようなデータは得られておらず、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていません。
※この情報は従来の「南海トラフ地震に関連する情報(定例)」に用いていた電文を活用して発表しています。
【南海トラフ地震臨時情報】
情報発表条件:
○南海トラフ沿いで異常な現象が観測され、その現象が南海トラフ沿いの大規模な地震と関連するかどうか調査を開始した場合、または調査を継続している場合
○観測された異常な現象の調査結果を発表する場合
情報名に付記するキーワード:
○「調査中」 下記のいずれかにより臨時に「南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会」を開催する場合
・監視領域内※1でマグニチュード6.8以上の地震※2が発生
・1カ所以上のひずみ計での有意な変化と共に、他の複数の観測点でもそれに関係すると思われる変化が観測され、想定震源域内のプレート境界で通常と異なるゆっくりすべりが発生している可能性がある場合など、ひずみ計で南海トラフ地震との関連性の検討が必要と認められる変化を観測
・その他、想定震源域内のプレート境界の固着状態の変化を示す可能性のある現象が観測される等、南海トラフ地震との関連性の検討が必要と認められる現象を観測
○「巨大地震警戒」 想定震源域内のプレート境界において、モーメントマグニチュード8.0以上の地震が発生したと評価した場合
○「巨大地震注意」
・監視領域内※1において、モーメントマグニチュード7.0以上の地震※2が発生したと評価した場合(巨大地震警戒に該当する場合は除く)
・想定震源域内のプレート境界において、通常と異なるゆっくりすべりが発生したと評価した場合
○「調査終了」 (巨大地震警戒)、(巨大地震注意)のいずれにも当てはまらない現象と評価した場合
※1 南海トラフの想定震源域及び想定震源域の海溝軸外側50km程度までの範囲
※2 太平洋プレートの沈み込みに伴う震源が深い地震は除く
【南海トラフ地震関連解説情報】
情報発表条件:
○観測された異常な現象の調査結果を発表した後の状況の推移等を発表する場合
○「南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会」の定例会合における調査結果を発表する場合(ただし南海トラフ地震臨時情報を発表する場合を除く)
※すでに必要な防災対応がとられている際は、調査を開始した旨や調査結果を南海トラフ地震関連解説情報で発表する場合があります。
登録を変更または解除したい場合は
entry@sabo-mail.pref.yamanashi.jp
へ空メールを送信してください。
** 見出し **
第50回南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会、第428回地震防災対策強化地域判定会で、南海トラフ周辺の地殻活動を評価しました。
** 本文 **
本日(12月7日)開催した第50回南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会、第428回地震防災対策強化地域判定会で評価した、南海トラフ周辺の地殻活動の調査結果は以下のとおりです。
現在のところ、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時(注)と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていません。
(注)南海トラフ沿いの大規模地震(M8からM9クラス)は、「平常時」においても今後30年以内に発生する確率が70から80%であり、昭和東南海地震・昭和南海地震の発生から既に70年以上が経過していることから切迫性の高い状態です。
1.地震の観測状況
(顕著な地震活動に関係する現象)
11月1日05時35分に和歌山県南方沖の深さ20kmを震源とするM5.0の地震が発生しました。この地震は、発震機構が南北方向に圧力軸を持つ逆断層型で、フィリピン海プレートと陸のプレートの境界で発生しました。
12月3日09時28分に紀伊水道の深さ18kmを震源とするM5.4の地震が発生しました。この地震は、発震機構が北西・南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、地殻内で発生しました。
(ゆっくりすべりに関係する現象)
プレート境界付近を震源とする深部低周波地震(微動)のうち、主なものは以下のとおりです。
(1)東海:11月2日から5日
(2)四国西部:11月3日から9日
(3)紀伊半島北部から紀伊半島中部:11月4日から16日
(4)紀伊半島西部:11月18日から23日
(5)紀伊半島北部:11月27日から継続中
2.地殻変動の観測状況
(ゆっくりすべりに関係する現象)
上記(1)から(5)の深部低周波地震(微動)とほぼ同期して、周辺に設置されている複数のひずみ計でわずかな地殻変動を観測しました。周辺の傾斜データでも、わずかな変化が見られています。
GNSS観測によると、2019年春頃から四国中部でそれまでの傾向とは異なる地殻変動が観測されています。また、2020年夏頃から紀伊半島西部・四国東部でそれまでの傾向とは異なる地殻変動が観測されています。加えて、2020年夏頃から九州南部で観測されている、それまでの傾向とは異なる地殻変動は、2021年春頃に鈍化したまま、現在もその状態が続いているように見えます。
(長期的な地殻変動)
GNSS観測等によると、御前崎、潮岬及び室戸岬のそれぞれの周辺では長期的な沈降傾向が継続しています。
3.地殻活動の評価
(顕著な地震活動に関係する現象)
11月1日に発生した和歌山県南方沖の地震は、フィリピン海プレートと陸のプレートの境界で発生した地震で、その規模から南海トラフ沿いのプレート間の固着状態の特段の変化を示すものではないと考えられます。
12月3日に発生した紀伊水道の地震は、地殻内で発生した地震で、その規模から南海トラフ沿いのプレート間の固着状態の特段の変化を示すものではないと考えられます。
(ゆっくりすべりに関係する現象)
上記(1)から(5)の深部低周波地震(微動)と地殻変動は、想定震源域のプレート境界深部において発生した短期的ゆっくりすべりに起因するものと推定しています。
2019年春頃からの四国中部の地殻変動、2020年夏頃からの紀伊半島西部・四国東部及び九州南部での地殻変動は、それぞれ四国中部周辺、紀伊水道周辺及び日向灘南部のプレート境界深部における長期的ゆっくりすべりに起因するものと推定しています。このうち、日向灘南部の長期的ゆっくりすべりは、2021年春頃に鈍化したまま、現在もその状態が続いています。
これらの深部低周波地震(微動)、短期的ゆっくりすべり、及び長期的ゆっくりすべりは、それぞれ、従来からも繰り返し観測されてきた現象です。
(長期的な地殻変動)
御前崎、潮岬及び室戸岬のそれぞれの周辺で見られる長期的な沈降傾向はフィリピン海プレートの沈み込みに伴うもので、その傾向に大きな変化はありません。
上記観測結果を総合的に判断すると、南海トラフ地震の想定震源域ではプレート境界の固着状況に特段の変化を示すようなデータは得られておらず、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていません。
※この情報は従来の「南海トラフ地震に関連する情報(定例)」に用いていた電文を活用して発表しています。
【南海トラフ地震臨時情報】
情報発表条件:
○南海トラフ沿いで異常な現象が観測され、その現象が南海トラフ沿いの大規模な地震と関連するかどうか調査を開始した場合、または調査を継続している場合
○観測された異常な現象の調査結果を発表する場合
情報名に付記するキーワード:
○「調査中」 下記のいずれかにより臨時に「南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会」を開催する場合
・監視領域内※1でマグニチュード6.8以上の地震※2が発生
・1カ所以上のひずみ計での有意な変化と共に、他の複数の観測点でもそれに関係すると思われる変化が観測され、想定震源域内のプレート境界で通常と異なるゆっくりすべりが発生している可能性がある場合など、ひずみ計で南海トラフ地震との関連性の検討が必要と認められる変化を観測
・その他、想定震源域内のプレート境界の固着状態の変化を示す可能性のある現象が観測される等、南海トラフ地震との関連性の検討が必要と認められる現象を観測
○「巨大地震警戒」 想定震源域内のプレート境界において、モーメントマグニチュード8.0以上の地震が発生したと評価した場合
○「巨大地震注意」
・監視領域内※1において、モーメントマグニチュード7.0以上の地震※2が発生したと評価した場合(巨大地震警戒に該当する場合は除く)
・想定震源域内のプレート境界において、通常と異なるゆっくりすべりが発生したと評価した場合
○「調査終了」 (巨大地震警戒)、(巨大地震注意)のいずれにも当てはまらない現象と評価した場合
※1 南海トラフの想定震源域及び想定震源域の海溝軸外側50km程度までの範囲
※2 太平洋プレートの沈み込みに伴う震源が深い地震は除く
【南海トラフ地震関連解説情報】
情報発表条件:
○観測された異常な現象の調査結果を発表した後の状況の推移等を発表する場合
○「南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会」の定例会合における調査結果を発表する場合(ただし南海トラフ地震臨時情報を発表する場合を除く)
※すでに必要な防災対応がとられている際は、調査を開始した旨や調査結果を南海トラフ地震関連解説情報で発表する場合があります。
登録を変更または解除したい場合は
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